SJF学会理事長 宇都宮 初夫

 20回学会は記念学会となり、5年ごとに関西地区で開催することにしていて、第1回学会から5回目の学会を関西神戸で開催します。

 今回のテーマを「治療技術の歩みと展望」としました。シンポジウムとしてはBobath法から紀伊克昌先生、PNFから柳澤健先生、SJFからは私宇都宮がシンポジストを務めます。

 理学療法士・作業療法士法が発布されて54年が経過しました。昭和40年代から50年代にかけて、シンポジストたちは懸命に技術の獲得と講習会を通して治療法の普及に尽力しました。PTOTも我が国におけるこれまでにない全く新しい職種として、社会に認められようと患者治療にしゃにむに前進していたように思います。この時期はまさに日本におけるPTOTの草創期で、わが国には世界に誇れる治療技術などは皆無でした。そのために外国の治療技術を学ぶことから始めるしかありませんでした。シンポジストたちはそれぞれアメリカ、イギリス等医療先進国での技術講習会に参加することで治療技術を学んできました。外国での技術研修は勿論日本語ではおこなってくれませんから、英語での講義と実技に必死についていくことで外国の治療技術を取り入れてきました。外国で多くのPTたちが使用している治療法を学んだ後、患者治療に使用すると同時に日本国内のPTに伝達することにも力を傾注しました。その結果、わが国にもたくさんのPTたちがBobath法、PNF技術、Joint Mobilizationを患者に適応するようになってきました。しかし2000年代に入り、Bobath夫妻、Kabat, Voss, Knottたちが亡くなられたことで、オリジナルの治療法も変化してきたようです。

 2000年に入ってから我が国にオリジナルの治療法であるSynovial Joints Facilitation SJF)が誕生しました。これまでの治療的運動技術の欠陥を補完する目的で、新しい治療技術を開発してきました。誕生して20年が経過した今、SJFは他の国には見られない全く新しい治療法を発展させてきました。開発当初は関節に対する治療として出発しましたが、関節受容器に刺激を与えることにより、筋機能である収縮の活性化を図ることで、施術後即筋張力を強化する技術を加えてきました。その後、運動障害に対する治療対象としては、神経、筋、に対するのみでは不足で、関節に対する治療を同時に実施する必要性が重要であると気づきました。しかしこれまでの神経生理学的原理に基づく方法では臨床効果をあげることはできず、「脳を含む神経、筋、関節に対する生物学的アプローチすなわち運動器生物学的アプローチ」の開発が望まれる時代に入ってきたと考えられます。シンポジウムでは、テーマに沿った討論をしていきます。

その他本学会では、大会長講演、一般演題発表、理事長基調講演が行われ、意義ある一日となるよう準備しています。多くの参加者を希望しています。